土留部材引抜同時充填工法
地盤沈下の変位を抑制
鋼矢板、H鋼などに代表される土留部材は仮設工事で頻繁に用いられています。
本工事終了後、仮設構造物を撤去する際、この土留部材を引き抜くと地盤沈下の原因となります。
そのため民家や埋設管の近くに打設された場合、残置するのが一般的でした。
この工法では土留部材を引き抜くと同時に充填管から専用の充填剤を連続的に注入する事で、
地盤沈下を抑制、安全に土留部材を回収する事ができる画期的工法です。
近接施工
民家などの重要構造物に近接した箇所においては、土留材の残置が多いようです。本工法は、引抜きによって発生する空隙に対して、予め設置しておいた充填管より引抜きをしながら同時充填します。地盤変位を高度に抑制し、安心して土留材の引抜きが可能です。
ため池・河川堤防
近年は、大雨による大災害が頻発していることもあり、河川・ため池堤防における土留め工事において、水みちを作らないオンリーワン対策工法として特に使用実績が増えています。
水中での施工も可能な工法です。
土壌汚染対策
土壌汚染対策工事においては、工事完了後に2年間の地下水モニタリングが必要です。そのために土留め材を引抜くことができません。遮水壁の機能を持つ本工法を採用することで、土留め材を早期に撤去してコストダウンできます。
杭の引抜き
同時充填工法は、開発当初は毎分20~30リットルで充填していました。それが現在は最大140リットルの大容量を高速で同時充填できるよう進歩しました。
この開発成果により、大きな断面の既設杭引抜きにも使えるようになりました。